



本社で教育研修を担当するまでは、ずっと富山県の小さな店舗でお客様と接してきました。「富山を離れて違う分野の仕事に挑戦してみないか」と、当時の中部事業部の上司から提案をいただいた時は正直驚きました。もともと転居を伴う異動のない社員区分(Aコース社員)を選択していましたので、もちろん迷いはありました。しかし折角与えられたチャンスなので、後悔はしたくないと、チャレンジさせていただきました。私にとっては「現状維持は衰退」を意味するので。
現在、人財育成のための方針作成・本社主催の集合研修の企画・実施をしています。年次ごとにキャリアパスを支援する多様な研修を準備しています。新入社員フォローアップ研修とマネージャーへの登竜門のベーシックマネジメント研修では、私も講師をしています。店長として自分が信じたやり方で結果を出してきたことを、自分の言葉で自身の体験に基づいて後輩たちに伝えることができる現職に就けて、本当によかったと思っています。私は研修のテーマを「CSとホスピタリティ」という言葉で表現しています。「CSとは?ホスピタリティとは何か?」ということを、社員全員が自分の言葉で伝えられるようになって欲しいですね。

当社では入社後3年間を人財育成・能力開発期間として、研修プログラムを用意しています。会社に入って最初のステップとなる新入社員研修は、当社のなかでも大事な研修です。社会人としてのビジネスマナーから始まって、JTBグループの集合研修、国内旅行・海外旅行の実務研修、夏の繁忙期を終えた頃には自分の成長を確かめるフォローアップ研修など、成長に合わせたバックアップを、研修を通して実施しています。
教育体系のプラットホームとして、接客、CS、コンプライアンスなどを学ぶ場が、各店舗でのOJTです。職場で指導する社員は重要な役割を課せられています。当社では新入社員を教える指導社員制度があり、年次が近い2〜4年目の社員を対象に指導社員研修を行っています。この制度のねらいは2点あります。第一は、自分の身近に仕事に対する相談相手がいるということで心強く思えることです。第二は、新入社員を教えることによって、指導社員が自ら成長できることです。研修の際にもこのことは伝えています。先輩から後輩へ受け継がれてきた、一緒に成長していくというJTBトラベランドらしい教育だと思っています。

私自身の課題は、OFF-JTとOJTの距離を近くすること。机上の話ではなく、現場である店舗に戻ったときに実感できるように、自分が店舗でスタッフに伝えてきた時と同じ言葉で、事例を出してわかりやすく伝えるように心がけています。私は店舗をひとつの家族に例えています。店長はお母さんやお父さんであり、マネージャーは長女・長男であると。海外旅行に強い家族、国内旅行に強い家族、CSの良い家族など、さまざまな家族があります。教育は家族のなかで行われますが、その家族毎の苦手な分野を補うのが集合研修(OFF-JT)だと思っています。
会社の方針として研修中に話したことを、実践するのは全国約400店舗で働いている社員です。研修で話をしたことを現場でどのように実践するか、より多くの「気づき」を促すことができるように、現場の目線で、自分達が現場で使っている言葉で語りかけるようにしています。

教育と並行して、5月から「ダイバーシティ研究フォーラム」という社内プロジェクトの推進役を務めています。「社員一人ひとりの価値観を認め、活かせるトラベランドを目指す!」を目的に、ワークライフバランス、多様な働き方、社員意識改革を3本柱にしています。キャリアパスのために教育という1つの手段があり、ダイバーシティに基づいた働きやすい環境があって、ステップアップを目指すことができるのだと思います。
教育や職場環境の充実もそうですが、私自身、お客様にいろいろ教えていただいて、ここまで育てられてきたと思っています。お客様に喜んでいただくために、社員一人ひとりが旅行に何かをプラスしてお客様に接し、お客様に気持ち良くご旅行に出発していただきたい。教育担当として今は社員に伝える立場であっても、またいつか店舗に戻って、お客様に恩返しをしていきたいです。店舗だけでなく、いろいろな側面から会社を見ることは、今後の自分のキャリアアップにもつながり、後にお客様により良い恩返しができると思っています。
<略歴>
1987年入社。富山県内の店舗で接客に携わり、2003年から4年間は魚津アップルヒル店で店長を務める。2007年3月より現職。 |
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